国際刑事裁判所第14回締約国会議(一般討論セッション)における辻大使のステートメント

平成28年1月6日
2015年12月18日

 2015年11月18日から26日に,ワールドフォーラム(ハーグ)において,国際刑事裁判所(ICC)第14回締約国会議(ASP)が開催されました。一般討論のセッションにおいて,辻大使は我が国のステートメントとして以下の内容の演説を行いました。

 1.冒頭,辻大使は,我が国は,2007年のICC加盟以来,最大の拠出国の一つとしてICCがより効果的に機能するよう貢献を行ってきた旨述べました。

 2.辻大使は,ICCの喫緊の課題として,第一にICCの効率性と実効性を高めることを挙げ,ICCと締約国間の信頼関係の強化が不可欠であると指摘しました。また,辻大使は,第二の課題として,検察局の戦略計画の実行可能性を挙げ,限られた資源の中で検察局による慎重な検討が必要であるとしました。

 3.辻大使は,ICCの正当性及び国際社会からの広範な支持を確保するためには,ICCと国際社会は,長期的な「コストドライバー」につき対処する最良の方法を見いださなくてはならないとしました。その点で,辻大使は,書記局により実施されたリビジョンプロジェクトを評価する旨述べました。

 4.辻大使は,我が国が被害者支援を重視していることを表明し,ルバンガ事件の被害者に対して被害者信託基金(TFV)が実行計画を発出したことを含め,TFVの被害者支援のための活動を高く評価しました。

 5.辻大使は,ローマ規程の普遍性を促進することの重要性につき言及し,普遍性の促進は,法の支配の実現とICCの正当性の確保の為に極めて重要であることを強調しました。

 6.最後に辻大使は,ICCがローマ規程の枠組の内外において信頼と評価を得ていくことを確信しているとし,我が国もICCへの貢献を強めることにより,国際社会における法の支配の確立に寄与することを表明しました。