猪俣大使2019年新年挨拶

明けましておめでとうございます。
早いもので,私自身,オランダで三度目のお正月を迎えております。新年のご挨拶の機会に際し,昨年を簡単に振り返りつつ,今年の抱負を述べたいと思います。
 
まず政治に目をやりますと,第三次ルッテ内閣は,上下両院で辛うじて過半数を占める連立4党が協力関係を維持する中,経済状況の好転を背景に,巧みな政治運営で政権の安定を図ってきました。今年は3月20日の統一州議会選挙,5月23日の欧州議会選挙,そして5月27日の上院選挙が予定されており,その結果並びに政局への影響等に注目していきたいと思います。
日蘭の経済関係は,引き続き緊密に推移しています。目の前には,英国のEU離脱など,依然として先行きに不安定さが残っていますが,昨年7月に署名をした日EU・EPAの発効が追い風となり,日蘭の貿易・投資関係がより一層強固で揺るぎないものとなるよう,また,当地での皆様の経済活動が円滑に進みますよう,大使館としても引き続きサポートを行ってまいります。
 
昨年も在蘭日本商工会議所や日系企業の皆様,オランダの団体・企業と連携し,春の桜祭り,秋のジャパン・フェスティバルを実施し,成功を収めることができました。オランダの多くの方々が日本文化に触れ,日本を知って頂く機会となったことと思います。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会まであと1年ですので,今後も日本ファンや訪日客の増加に繋がる努力をしていく所存です。
 
オランダにおけるテロ情勢は,引き続き予断を許さない厳しい状況にあります。在留邦人の皆様の安全確保は大使館にとって最優先事項であり,引き続き,皆様への治安情勢・テロ情勢等の情報提供とともに,安全確保のためのできる限りの措置を積極的に行っていく所存です。
 
私の仕事は日本とオランダとの二国間関係の強化のみならず国際機関との関係業務にも及びます。昨年6月,国際司法裁判所(ICJ)裁判官選挙が行われ,岩澤雄司東京大学教授が当選されました。心からお祝いを申し上げるとともに,益々の御活躍を祈念したいと思います。また,昨年7月,国際刑事裁判所(ICC)はローマ規程20周年を迎えました。今後も積極的にその活動に貢献していきたいと思います。
昨年,化学兵器禁止機関(OPCW)では,シリア及び英国での化学兵器使用事件が相次いだことを受けて,事務局の調査や分析機能の強化を巡り,活発な議論が行われました。我が国として引き続き化学兵器の禁止を目指す国際的な取組・軍縮努力に貢献していきたいと思います。
今後とも日本とオランダを取り巻く様々な動きに目を配りながら,館員ともども大使館としての責務を果たせるよう努めて参ります。ご意見等があれば,遠慮なく大使館にご連絡いただければ幸いです。
皆様の今年一年のご多幸とご繁栄をお祈りして,私の新年の挨拶とさせていただきます。
 
2019年1月
猪俣 弘司
駐オランダ日本国大使