南大使2025年新年挨拶
令和7年1月1日
駐オランダ日本国大使 南 博
皆様、新年明けましておめでとうございます。
オランダに着任し、2度目のお正月を迎えることがなりました。皆様へ新年のご挨拶を申し上げます。
本年は日・オランダ交流425周年を迎えます。1600年にオランダ商船「デ・リーフデ号」が大分に到着したことをもって、日・オランダ交流の嚆矢といたします。日本は、長い間オランダから実に多くのことを学びました。今年は、改めて両国の歩みを振り返り、様々な分野で深化・発展が著しい両国の関係を更に強化する機会にしたいと思います。大使館では、425周年を象徴するためにロゴマークを作成しました。記念の年を盛り上げる一助になればと期待しております。
二国間関係では、昨年1月には上川外務大臣(当時)が外務大臣として11年ぶりにオランダを訪問し、ブラウンス・スロット外相(当時)と外相会談を行いました。また、7月にはNATOワシントン・サミットにおいて、岸田前総理とスホーフ首相との間で首脳会談が行われ、安全保障を含むあらゆる分野において協力を進めていくことを確認しました。また昨年6月及び10月に行われた防衛相会談では、両国がインド太平洋地域への関与など安全保障の分野で連携していくことで一致しました。加えて昨年6月には、オランダ海軍艦艇トロンプが日本に寄港し日・オランダ共同訓練を実施するなど、両国の政治・安全保障関係は緊密の度合いを増しています。
経済関係については、昨年5月の水素サミットへの日本企業ブースの出展や、万博に向けた日・オランダ間の取組により、ビジネス交流はさらに活発化してきています。本年4月から日本で開催される万博期間中には、10を超える対日トレード・ミッションが予定されており、更なる交流・協力の機会が生まれることは間違いありません。様々な分野においてビジネスチャンスは広がっていると思います
昨年はジャパン・フェスティバルをはじめ、ライデンのジャパン・マーケット、デン・ヘルダーのジャパン・デー、そして、日本のポップカルチャーの祭典「アニメコン」や「あぶない!」など、多くの日本文化イベントに参加しました。どのイベントでも多くのオランダの日本ファンと触れ合う機会があり、実りの多い経験でした。また、在留邦人・日本企業の方々のご協力を得て開催する弁論大会はおかげさまで36回目を数えます。本年は、425周年を象徴し、皆様に楽しんでいただけるような多くの文化事業を実施していきたいと考えています。
昨年3月、ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)の所長に、日本人の赤根智子判事が選ばれたことは実に喜ばしいことでした。法の支配を外交の柱に掲げる我が国としては、ICCなどの国際機関と連携しながら、国際平和と安全、法の支配への貢献を続けていく考えです。
ウクライナ侵攻、中東での紛争が続く中、今年は、オランダをはじめとして欧州がどのような方向に向かっていくのか、国際社会全体にどのような影響を与えていくのか、細心の注意を払って注視していく必要があると考えています。その中で、日・オランダ関係をどのように深化・発展させていくのかが、我々大使館にとっての重要な責務であると考えています。
今後も、在留邦人の皆様からのご協力とご理解をいただきつつ、館員ともども大使館としての責務を果たせるよう努めてまいります。
皆様の今年一年のご多幸とご繁栄をお祈りして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。