大使挨拶

令和6年1月1日

南大使2024年新年挨拶

駐オランダ日本国大使 南 博


皆様、新年明けましておめでとうございます。

昨年1月にオランダに着任し、今回が初めてのオランダでの新年となりました。皆様への新年のご挨拶の機会に際し、昨年を振り返るとともに、今年の抱負を述べたいと思います。

昨年は、4月にようやく日本入国時の新型コロナウイルス関連証明書の提示が不要となり、日本とオランダの人的交流が本格的に戻って参りました。一方で、一昨年から続くロシアによるウクライナ侵攻や、昨年10月のイスラエルとハマスの衝突により、世界情勢は混迷の度を深めております。今年はこうした世界規模の混乱が少しでも収束することを祈っております。

オランダ国内政治では、昨年3月の州議会選挙で農業従事者や現政権への不満が後押しして、野党の農民市民運動(BBB)が大勝し、5月の上院選挙では第一党になり、オラ ンダの政界の地殻変動の幕開けとなりました。さらに7月には第四次ルッテ内閣が総辞職し、11月の下院選挙では、自由党(PVV)が第一党となり多くの人にとって予想外の結果となりました。新内閣の連立交渉を経て、新しい政権がどのような方針を示すか目が離せない日々が続きそうです。

二国間関係では、昨年9月にG20ニューデリー・サミットにおいて、約5年8か月ぶりとなる対面での日蘭首脳会談が行われ、オランダとの安全保障分野を含む協力強化や、 ルッテ首相から福島第一原発のALPS処理水の海洋放出に対する日本の立場への完全な支持を得るなど、非常に有意義な会談となりました。

経済関係については、オランダ国内では、物価高、住宅不足、窒素問題等の課題が山積しておりますが、痛みを伴いながらも、グリーン化を急速に進めていくという政府方針は変わらないと思います。新政権の政策を注視していきたいと思います。風力発電、水素、 農業・食品、物流など、様々な分野において、引き続き、日蘭経済関係の強化・発展に努めて参ります。

アムステルフェーンのジャパンフェスティバルについては、昨年、当館のブースでは、 サスティナブルな日本食材を用いたお茶や折り紙の体験を提供しました。また、本年3月には、在留邦人・企業の方々のご協力をいただき、35回目となる日本語弁論大会の開催を予定しております。本年もSNS等を通じての文化面での発信を強化していきたいと考えております。

治安情勢に目を向けますと、イスラエル・パレスチナ情勢が混迷化する中、昨年12月にオランダ政府はテロの警戒レベルを一段上げ、テロへの警戒感が高まっています。また、テロ以外にも皆様に危害が及ぶおそれのある暴力的な事件が多発しているほか、盗難、サイバー犯罪等の被害や大規模なデモに伴うトラブル等も発生しており、引き続き、 身の安全に注意を払う必要があります。大使館にとって、在留邦人の皆様の安全確保は最優先事項でありますので、今後とも領事メールで治安情報を適時適切に提供するなど、皆様の安全確保のために取り組んで参ります。

オランダには、国際司法裁判所(ICJ)、国際刑事裁判所(ICC)、化学兵器禁止機関(OPCW)などの国際機関があり、日本としてはこれらの国際機関を通じての国際平和と安全、法の支配への貢献を続けていく考えです。

昨年は、私にとってオランダでの1年目でしたが多くのイベントに出席し、多くの人々とお会いし、多くの知識を得て、実りある1年でした。長い歴史を有する日本とオランダ との関係だからこそできる経験や出会いもあり、大変有益でした。今後も、在留邦人の皆様からのご協力とご理解をいただきつつ、日本とオランダを取り巻く様々な動きに目を配 りながら、日本とオランダの関係を更に深化・発展させるべく、館員ともども大使館としての責務を果たせるよう努めて参ります。

皆様の今年一年のご多幸とご繁栄をお祈りして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。 

南大使着任挨拶

堀之内大使の後任として2023年1月23日に着任した南博です。どうぞよろしくお願いいたします。

オランダは、言うまでもなく日本との間では400年以上にわたる交流関係があります。それを基礎としつつ、非常に親密な皇室王室関係、多くの国際的な課題に協力する両国政府間関係、活発なビジネス関係、スポーツや文化にかかわる交流などにより、近年では関係をさらに強固のものとしてきています。これまで日本との二国間関係の強化に努めてこられた皆様に敬意と感謝を表明いたします。日本との二国間関係を離れても、ハーグは国際司法裁判所(ICJ)、国際刑事裁判所(ICC)をホストする、いわば国際司法の都であるとともに、化学兵器の全面禁止や不拡散のための重要な活動を行っている化学兵器禁止機関(OPCW)が所在しており、オランダは国際社会において独特の地位を占めています。

私はこれまで、英国に2回、ジュネーブに1回と、西欧には3回勤務したことがあります。英国と非常に似た文化と気候を持つオランダには親しみを持っており、ここに勤務できることは私にとって非常にうれしいことです。また、国連関係に長らく携わってきた人間としても、国際司法裁判所、国際刑事裁判所などの国際司法の世界、化学兵器禁止機関という不拡散の世界を知ることは新たな経験でもあります。一方、在外に勤務する大使の重要な役割は、在留邦人の皆様の保護と安全の確保にあります。オランダに住まわれる、あるいはオランダに来られる皆様方が安全に生活して活動できるよう、大使館員ともども尽力してまいりたいと思います。

今後皆様からのご助言、ご叱声を頂きながら大使としての責務を果たしていきたいと思います。

南 博
駐オランダ大使