国際司法裁判所(ICJ、International Court of Justice)
国際司法裁判所は、国連の「主要な司法機関」(国連憲章第92条)として、国家間の法律的紛争を国際法に基づき平和的に解決するために設立された裁判所であり、ハーグの平和宮で活動しています。裁判所の機能として、(1)国家間の紛争を裁判により解決する争訟事件手続、(2)国連機関等の求めに応じて国際法の見地から意見を述べる勧告的意見手続があります。
外務省資料(2021年1月)
裁判所ウェブサイト(英語)
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(平和宮)UN Photo/ICJ-CIJ/Frank van Beek. Courtesy of the ICJ. All rights reserved. |
裁判官
国際司法裁判所の裁判官は、国連総会及び安全保障理事会の選挙により選出された15名(任期9年、再選可)により構成されています。我が国は前身の常設国際司法裁判所(PCIJ、Permanent Court of International Justice)時代から合計7名の裁判官を輩出しており、現在、岩澤雄司裁判官が2018年からその任に就き(21年再選。任期:2021-30年)、ICJ所長(2025-27年)を務めています。
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(岩澤雄司裁判官) UN Photo/ICJ-CIJ/Frank van Beek. Courtesy of the ICJ. All rights reserved. |
日本との関わり
ICJの裁判では、日本はこれまでのところ、唯一「南極における捕鯨」事件(豪対日(NZ訴訟参加))において当事国となりました。同事件では、2014年3月31日の判決で、日本が行う南極海での調査捕鯨が国際捕鯨取締条約第8条第1項の「科学的研究」の範囲に収まらないと判示しました。その後、日本は同判決を誠実に履行しました。
強制管轄受諾宣言
ICJで裁判を行うためには、裁判の両当事国が裁判所での裁判に同意している必要があります。この同意は事件ごとに表明することも可能ですが、日本は、国際社会における「法の支配」を重視するという立場から、裁判所の管轄権を義務的に受け入れることを事前に宣言しています(強制管轄受諾宣言、1958年に宣言後、2007年及び2015年に修正)。2025年3月現在、74か国が同様の宣言を行っています。