安全の手引き/目次

2021/1/4
令和3年1月更新
在オランダ日本国大使館
 
 
 この「安全の手引き」は、オランダにお住まいの邦人の皆様が、より安全に滞在できるよう、邦人の方が被害に遭われた一般犯罪の事例を踏まえ、その特徴と基本的な防犯対策、また、万一緊急事態に遭われた際の対処方法を示したものです。
 日頃から、「自分だけは安全、自分だけは大丈夫」という意識をなくし、「自分の身は自分で守る」の心構えをもち、ご家族でも日頃から防犯について話し合い、緊急時の連絡や連絡方法を確認しておくことも必要です。
 この「安全の手引き」が安全なオランダ生活を送られるに際し、少しでもお役にたつことを願っております。

 
目次

I.防犯の手引き
1.防犯の基本的心構え
2.最近の犯罪発生状況
3.防犯のための具体的注意事項 (オランダ滞在時の留意事項)
4.交通事情と事故対策
5.テロ・誘拐対策
 
II.こんな時どうする
1.オランダに到着した時・帰国する時
2.旅券の紛失・盗難
3.クレジットカード・銀行カードの紛失・盗難
4.病気になった時
5.何らかの事件・事故等被害に遭ったとき
 
III.緊急事態に備えて
1.平素の準備と心構え
2.緊急時の行動
3.緊急事態に備えてのチェックリスト
 
IV.緊急時の連絡先


I.防犯の手引き

I.基本的心構え

1.防犯の基本的な心構え

(1)油断大敵
  「自分だけは安全、自分だけは大丈夫」という意識は、「何もしない、隙だらけ」ということでもあります。特に海外においては、「自分の身は自分で守る」という意識をもって行動しましょう。
 
(2)備えあれば憂い無し
 何かあったらどうしようと心配するだけではなく、日頃から、ご自身、ご家族で状況に応じた安全対策を考え、実施するよう心がけましょう。
 
(3)変化に敏感に
 危険にはそれなりに何か兆候があるはずです。ショッピング等外出時に限らず、毎日何気なしに見ている自宅周りの様子も当たり前だと思わずに、日頃から気をつけながら見る習慣を身につければ、ちょっとした変化にも気付く(察知できる)ようになります。
 
(4)オランダ社会にも関心を
 オランダで生活する以上、オランダの政治・社会情勢に無関心に暮らすことは出来ません。社会不安が生じていないか、自宅や勤務先周辺の治安は悪化していないか等常に関心を持って生活することが大切です。潜在的でも危険と分かれば、回避することができますし、それに応じた対策も取ることが可能となります。
 
(5)焦りは禁物
 物事は全て自分の期待通りに進みませんし、予期せぬ事態に遭遇することの方が少なくないかもしれません。こうした予期せぬ事態に直面した場合こそ、焦ったり、パニックにならずに冷静に落ち着いて対応することが肝心です。焦れば焦るほど状況を正確に把握できなくなり、かえって事態が悪化する場合があります。
 
(6)心身とも健康に
 何か心配事はありませんか。心配事に気を取られたりして、注意が散漫になっていませんか。体調は万全ですか。事件や事故に巻き込まれるのは、何も隙を見せたりした場合だけに限りません。心や身体に変調を来している時こそ、十分注意する必要があります。


2.最近の犯罪発生状況

(1)犯行の手口(典型的な犯行)
 オランダにお住まいの邦人やオランダを訪れた旅行者等短期滞在者で、2020年(令和2年)中に置き引きやひったくり等の被害に遭い、パスポートの盗難・紛失に遭ったと大使館に報告があったケースは1年間に19件にのぼります。この数字は、盗難被害にパスポートが含まれている場合に限っており、パスポートが含まれず被害届が大使館に行われていないことも考えられますので、実際には、この数字以上に被害に遭っている日本人の方がおられるのではないかと推測されます。
 特にアムステルダム市、スキポール空港構内(駅構内を含む)、アムステルダム中央駅からスキポール駅間等国際及び国内列車内、トラム内での被害が依然として後を絶ちません。明らかに被害者の不注意によるケースもありますが、以下の被害例に見られるようにグループによる犯行が多く、注意をそらされている一瞬の隙を狙って行われています。
 
  ア.列車内(特にオランダと周辺諸国を結ぶ国際列車内、スキポール空港を発着する国内列車内、アムステルダム等主要都市のトラム内)
  (ア)犯行グループの1人が、突然コインを床にばらまいたり、ホーム側から客車の窓をノックしたり、執拗に話しかけたりするなどして注意をそらしている隙に、グループの一味が、傍らに置かれた被害者の荷物を全て持ち去り、気づかれないうちに車外に逃走する。
  (イ)網棚や荷物置き場等死角となる場所に、貴重品の入ったバッグ等の荷物を不用意に置いたまま、居眠りをしたり、車窓の景色を眺めている隙に、何者かが荷物ごと持ち去る。
  (ウ)犯行グループが、乗降口で混雑を装い、標的とする人物をブロックし、身動きが取れないようにした上で、被害者の背広の内ポケットやズボンの尻ポケット、肩掛けカバン、小型リュック等から貴重品を抜き盗る。
  (エ)座席の下が後方座席と隔てられていない車両内において、何者かが足下に置いた荷物を後方座席の下から持ち去る。
 
 イ.主要都市の大規模な駅(特にアムステルダム中央駅)構内、スキポール空港構内
  (ア)簡易売店やキヨスク等で、飲物やスナック類を購入している隙に、何者かが、スーツケース等の脇に不用意に置かれた貴重品入りの荷物を持ち去る。
  (イ)駅構内で、何者かがケチャップやアイスクリーム等が洋服に付いていると言いながら親切を装って近寄り、被害者が洋服に気が取られている隙に、荷物を持ち去る。
  (ウ)プラットホームで荷物を側に置いて電車を待っている最中、近くで口論など人目を引く言動が突発し、被害者が気をとられている隙に、何者かが傍らの荷物を持ち去る。
 
 ウ.ホテル
  (ア)チェックインやチェックアウト等の際に、スーツケースの上、足下、カートの手荷物置き場等死角となる場所に不用意に置いた貴重品入りのバッグ等が何者かに持ち去られる。
  (イ)従業員の制服を装った何者かが、室内の清掃やシャワールームなどの修理などと称して部屋に入り込み、隙をみてバッグ等を持ち去る。
 
 エ.レストラン
  (ア)ホテル内や市内のレストランで、特に朝食時、食事や会話に夢中になっている間に、足下あるいは椅子に掛けておいた貴重品等の入ったバッグを持ち去られる。
  (イ)ビュッフェ式の食事において、バッグを椅子やテーブルに置いたまま食べ物を取りに行っている隙に持ち去られる。短い時間であっても貴重品は常に肌身離さず持参する、あるいは同じテーブルの人が一斉に食事を取りに行かず、管理役として誰か一人でも席に残っておくことで被害を未然に防ぐことに役立ちます。
 
 オ.公共駐車場
  公共駐車場に駐車し、施錠の上、車内が見えにくい仕様のガラスであることに安心して、車内(トランクも含まれます。)に貴重品の入ったバッグを置いたまま食事をしたり、短時間でも車両を離れたりした隙に、窓ガラスを壊され、貴重品を盗まれる「車上荒し」の被害例も報告されています。
 
(2)犯罪の被害に遭いやすい(犯罪発生)地域
 
 ア.アムステルダム市内
  (ア)アムステルダム市内(特に中央駅周辺やダム広場等人で混雑する場所や国立美術館、ゴッホ美術館、ハイネケン博物館、マヘレのはね橋等の観光名所周辺)では、スリや置き引きの被害に遭う方が多数おられます。服、バッグ等からいつの間にか財布、パスポートが盗まれた旨の被害報告が後を絶ちませんので、貴重品の管理には十分注意してください。また、過去には睡眠薬強盗被害や2人乗りスクーター、バイクによるひったくり被害も報告されていますので、注意を心がけてください。
  (イ)アムステルダム駅構内及び同駅からダム広場へ通じる「Damrak通り」、ダム広場東側の通称「飾り窓」地域は、時間帯を問わず観光客のみならず人の往来が多いところですが、麻薬の売人や浮浪者がたむろしており、雰囲気も良いものではありません。特に夜間の一人歩きは危険を伴いますので、近寄らない方が安全です。また、「飾り窓」地域での写真撮影は、トラブルに巻き込まれる可能性がありますので、厳に慎んでください。
 
 イ.その他観光名所やアウトレットモール等の大型ショッピング施設
  ザーンセスカンスやキューケンホフ公園等の観光名所、ルールモントの大型アウトレットモール等買い物客が多数集まる地域では、スリ、置き引きの被害が報告されていますので、貴重品の管理には十分注意してください。
 
 ウ.スキポール空港(特に到着ロビー、両替所、タクシー乗場及び駐車場付近)
  空港到着直後の旅行者を狙った置き引き等の犯罪が後を絶ちません。特に、カートの上に乗せた手荷物(ハンドバッグやアタッシュケース)や、足元に置いたアタッシュケースを盗まれるケースが目につきます。到着してホッとした一瞬の隙を狙われるのが特徴ですので、特に手荷物等は常に身体から離さないよう心掛けてください。
  最近では、航空機内の座席の前のポケットにパスポートや貴重品の入ったポーチなどを入れたまま降機し、すぐ引き返してみたが無くなっていたとの事例が増えています。特にパスポートや貴重品などは、機内だからと安心して座席のポケットなどに入れることのないよう注意してください。
 
 エ.その他
  暗くなってから人通りの少ない通りや運河沿いを歩いていた際に強引なひったくり(スクーター、バイクなど後ろからひったくる等)に遭ったケースも過去に複数報告されておりますので、商業地域、住宅地域を問わず注意が必要です。


3.防犯のための具体的注意事項(オランダ滞在時の留意事項)

(1)住居
 ア.入居に際しては、昼と夜とでは周辺の様子や雰囲気が変わる場合がありますので、治安等を含めた環境に留意することが大切です。
 
 イ.泥棒・空き巣の手口は、窓の施錠忘れのように不用心なケース以外に、錠を壊し、あるいは窓ガラスを割って錠をはずして侵入するケースも見られますので、事情の許す限り以下のような対策をお勧めします。
 
 (1)出入り口(玄関)や窓に錠を複数取り付ける。
 (2)入居と同時に鍵を新しいものに取り替え、補助錠を取り付ける。
 (3)ドアや窓の隙間を塞ぐ金属製の防犯器具を取り付ける。
 (4)日中カーテンを閉め切った状態で外出しない(カーテンを閉め切っていると留守であることに気付かれるおそれがあります)。
 (5)暗くなると自動的に点灯する市販のセンサー付きライトなどを取り付ける。
 (6)ドアマット、郵便受けや植木鉢の下に鍵を置いたりしない。
 
 ウ.最近、空き巣に入ることを目的として次のような手口もあるようですので、注意が必要です。
 
 (1)目星を付けた住宅のインターホンを一定の間隔を置いて複数人が交替で頻繁に鳴らし、不在か否かを確認する。
 (2)もし応対に出れば、適当な要件(「友人を訪ねてきたが,詳しい場所が判らない。」「近所に宅配便を配達に来たが、出ない。不在なのか等」)を述べて一方的に切る。
 (3)集合住宅の場合、別の部屋の住人を名乗り、正面入口の鍵を忘れて外出した等として、解錠を要求する(中に侵入できれば、(1)で不在を確認した家で空き巣を働く)。
 このような場合には、次のような対策が有効です。
 
 ・在室していることを示すため、応対には出る。しかし、個人情報、家族構成等を知られないため、必要な要件だけを手短に話し、インターホンを切る。特に、女性の一人暮らしの場合、他の者(男性)と同居していると思わせるような芝居も有効。
 ・他室への訪問を理由として解錠を求められても、「開けて良いか、私には判断できない。」と断る。
 ・近隣住民にも同様の事実がないか確認し、付近一帯の注意喚起を促す。自分だけが注意していても、自分が不在時に、別の人間が正面扉を解錠してしまい、自宅が被害に遭うという可能性もある。
 ・外出の際に、自宅のインターホン付近に以前には見られなかった印(シール・ペン書きの点等)がないか確認し、あれば消去する。下見をした犯人が、家主の不在を確認して残した痕跡である可能性あり。
 ・必要に応じて、大家、管理会社、警察等へ通報し、周辺警戒の強化を依頼する。
 
 エ.万が一、在宅時に犯人が住居に侵入した場合には、最も安全な部屋(寝室などで鍵が掛けられるようにし、電話や防犯ベルが設置できれば望ましい)に避難し、警察に通報し助けを求めてください。
 
(2)外出時
 ア.日本人は一般的に多額の現金を持ち歩いていると思われる傾向にありますので、多額の現金を持ち歩かないことが一番ですが、現金を持ち歩く場合は、財布には盗られても惜しくない程度の現金しか入れない、分散して所持する等の対策を講じてください。また、あらかじめ現金とカードを分けておくことも、リスク分散の観点から有効です。
 
 イ.突然、見知らぬ人が道を尋ねる等声を掛けてきた場合は、注意をそらすことを目的としていることを忘れず、警戒を怠らず慎重に対応してください。
 
 ウ.現金自動預払機や駅の切符券売機を利用する際には、暗証番号を盗み読みされないよう、入力時、ボタンを手で覆うなど注意が必要です。また、背中を叩いたり、声をかけたりして注意をそらし、一瞬の隙に引き出された現金を盗み取る場合もあり得ますので注意してください。
 
 エ.貴重品を入れたバッグ等所持品は必要最小限とし、常に身体から離さないようにしてください。首から下げる貴重品袋等を外から見えないように上着等衣服の内側に入れることも有効です。
 
 オ.リュックサックや肩掛け鞄に貴重品を入れていても、刃物で鞄を切り(裂き)、中身を盗まれたり、肩紐を切られ鞄ごと盗られることもあります。人混みや携帯電話使用時等は鞄を身体の前に回す等して常に目の届くようにしておくことで未然に被害を防ぐことができます。
 
 カ.スリ防止のため、バッグ等の荷物内に入れる貴重品は、チャックを開封するなどして外から手を差し込んで取りやすい場所には保管せず、バッグ内の内ポケットに入れるなどの対策をとることをお勧めします。
 
 キ.ホテルにチェックインの際、貴重品を入れたバッグ等は不用意に足下に置かず、常に目の届く範囲内に置くようにすることが重要です。
 
 ク.ユースホステル、ボートハウスなど安価な宿泊施設は防犯対策が不十分なことから盗難被害が多いので、利用する場合は特に貴重品等身の回りの品には十分な注意を心掛けてください。また、過去の利用者が無断で作成した合い鍵を作って室内に侵入し、貴重品等を持ち去るケースもありますので、貴重品は室内に置かず、フロントに預ける等管理を厳重にしてください。
 
 ケ.ホテルのレストランやカフェ等で、ショルダーバッグ等の所持品を椅子の背もたれに掛けた状態、あるいは椅子やテーブルの上に置いたままうっかり席を離れ、貴重品を盗まれるケースが多数発生しています。パスポートを含む貴重品は常に肌身離さず保管し、管理には十分注意してください。
 
 コ.公共交通機関、特に列車、地下鉄、バス及びトラムの乗降口等の人混みの場所は、スリや置き引きに最も狙われやすく、被害例が最も多い場所の一つです。貴重品を入れたバッグ等は身体の前で抱え込むことをお勧めします。
 
(3)生活
 ア.来訪者
 見知らぬ来訪者、業者(電話、水道、電気、ガス等)、郵便配達人等に対しては、簡単に住居の扉を開けないで、扉越しに除き穴やインターホンで相手と用件を確認してください。不審だと思ったら扉を開けずに、まず身分証明書や所属先の電話番号を尋ね、直接所属先に電話して身分を確認してから応対することが有効です。
 
 イ.長期不在の時
   (ア)休暇に出かけることを前々から言いふらさない。
   (イ)可能であれば、タイマー付きの室内灯の自動点灯システムを取り付ける。
   (ウ)信用のおける隣人や知り合いの日本人の方に、窓や玄関の戸締まりの点検(見回り)、郵便物などが郵便受けに溜まらない用に定期的に回収してもらうよう依頼する。
 
(4)その他参考事項
 ア.身分証の携帯
 (ア)オランダでは、国籍を問わず14才以上の者に対して、警察法によって公務員及びスーパーバイザーが職務質問を行うことができると規定され、「身分確認に関する法律で定められた有効な文書」を提示する義務が課せられています。よって,オランダに長期(90日以上)滞在される場合には、最低限、オランダ当局(IND)発行の滞在許可証を身分証として常時携帯することをお勧めいたします。
 (イ)友人、知人の方で観光、商用等短期間オランダに滞在する場合でも、事実上、パスポート以外に身分を証するものがありませんので、外出の際はパスポートを携帯される一方、当地ではパスポートの盗難・紛失に遭う方が増加しておりますので、パスポートの管理にはくれぐれも注意するようお伝えください。
 
 イ.滞在許可
 家族を含めオランダに3か月以上滞在する場合は、滞在許可の申請を入国後3か月以内にお住まいの地区を管轄する移民局(IND)事務所に行う必要があります。滞在許可に関しては、お住まいの地区を管轄する最寄りのIND事務所にそれぞれ詳細につき直接お問い合わせください。
 また、所定の手続を経ずに滞在期間が既に経過してしまった場合は、不法滞在の容疑で国外退去等の厳しい措置がとられる事態にもなりかねませんので、滞在許可証に記載されている滞在許可期限の残存期間には十分注意を払い、期限が迫っている場合には、速やかにINDに相談の上、必要な手続きをとるようにしてください。
 
 *移民局(IND)
 HP:http://www.ind.nl
 インフォメーション・ライン:088-0430430
 
 ウ.写真撮影
 軍の施設等、撮影が禁止されている場所があります。また、通称「飾り窓」が所在する地域での撮影は、トラブルに巻き込まれる可能性がありますので厳に慎んでください。
 
 エ.薬物
 オランダでは、ヘロインやコカイン等のいわゆる「ハード・ドラッグ」の所持・売買等は違法とされ、違反者に対する取締りも厳しく実施されています。また、大麻等の「ソフト・ドラッグ」と呼ばれる薬物についても、いわゆる「コーヒーショップ」と称される店舗において購入できるとはされているものの、これらの薬物の所持・売買等についても本来違法であり、犯罪行為にあたります。特に日本人は、日本の法律によって、違法な薬物の所持等は国外犯規定により罰せられ得るため、こうした薬物には、絶対に手を出さないでください(日本人旅行者が「ソフト・ドラッグ」を使用し、意識不明に陥り、警察に保護されるという事案も過去に多く発生しています。保護され、医療施設に移送された場合は、法定検査期間2週間の入院検査を受け、この経費の支払いを求められます。)。
 
 オ.シェンゲン域内の移動
 オランダから車両、列車等で陸路によりシェンゲン域内を移動する際、国境を越えることになりますので、オランダの滞在許可証だけではなく、パスポートを必ず携帯するようお願いいたします。オランダの滞在許可証は、オランダに合法的に滞在していることをオランダ政府が証明しているものにすぎず、そもそも渡航文書ではありませんし、日本国籍を有していることの証明であるパスポートに代わるものとしての効力はありません。


4.交通事情と事故対策

(1)右側通行、右方優先
 車は右側通行で、特に信号や一時停止の標識が設置されていない交差点では右側から向かって(入って)くる車に優先権が与えられます。市街地での駐車違反及び一般国道におけるスピード違反、飲酒運転の取り締まりは厳しく実施されています。
 
(2)自転車専用路
 随所に自転車専用路が整備されており、自動車道路との関係では自転車に優先権が与えられていますので、専用路を車で横断等する際は(右折時はさらに)特に注意する必要があります。
 
(3)運転の際に必ず携行するもの
 ア オランダの運転免許証
 イ 車両登録証
 ウ 自動車保険証書
 エ 事故報告書
 オ 事故表示三角版
 
 *日本の運転免許証ではオランダ国内を運転することはできませんので、日本の運転免許証からオランダの運転免許証への切り替えが必要となります。なお、国際運転免許証で運転できる期間は6か月となっております。
 
(4)交通事故
 事故に遭った際は、被害者でも加害者の立場でも、気が動転してしまいがちですが、こうした時こそ冷静に落ち着いて対応することが必要です。
 
 ア 現場付近で車を止め、警察に通報する(112)。特に路肩に駐車する際には、通行する車両にはくれぐれも注意する。
 イ 人身事故の場合は、怪我人の状態を見て救急車を呼ぶか、病院に連れて行く(いずれの場合も診察に立ち会うようにする)。
 ウ お互いの免許証及び車両登録証の確認を行う。
 エ 警察の検証に協力し、事故報告書を作成する(事故報告書を記載するのは加害者側)。その際、以下の内容につき確認する。
 
 (ア)相手の車の所有者名、住所及び電話番号
 (イ)車種、プレート番号
 (ウ)相手の保険会社名
 (エ)事故現場住所
 
 オ 保険会社に通報
 カ 事故報告書を保険会社に提出
 
(5)自動車の保安
 車上荒らしは、繁華街のみに留まらず、ホテルやレストランの駐車場、住宅街でも発生しています。犯行は窓ガラスを割って、カーステレオや車内に置かれたバッグなどを狙う例が多く見られますので、路上駐車する場合には、警報機(カーアラーム)を取り付け、出来るだけ監視可能な明るい場所に駐車するようにし、人目をひくようなもの(例:カーナビゲーション)を車内におかず、  また、短時間でも車を離れる際は、貴重品等の入った鞄等の荷物を車内に置かないようにすることが必要です。
 
(6)交通違反
 スピード違反はもとより、飲酒運転についても厳しく取り締まられております。特に飲酒運転については、“飲んだら乗るな、乗るなら飲むな”を心がけるようにしてください。


5.テロ・誘拐対策

(1)テロ対策
 ア. オランダ政府は、国内におけるテロの脅威評価に関し、2019年12月、これまで5段階のうち上から2番目に脅威の高い「substantial(相当程度)」であったものを、一段階下の「significant(重大)」へと引き下げて以降、これを維持しています(2020年12月現在)。しかしながら、重大なテロの脅威は依然として残っており、テロ攻撃が発生する可能性も考えられ得る状況にあるとしています。また、オランダ国内では、2019年3月にユトレヒト市内のトラム車内において銃撃事件が発生したほか、最近でもテロを計画したとされる者が逮捕されるなどしており、テロの脅威は引き続き存在しているほか、最近では、右翼過激主義者によるテロの脅威も懸念されています。
 イ. これまでに、オランダにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでも、チュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。特に、最近では、単独犯によるテロや、一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
このようにテロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
 ウ. 被害を最小限に食い止めるための予防措置として、例えば、レストランや大型店舗等の商業施設に出入りする際、あらかじめ非常口へ向かう避難経路や身を隠す場所の確認を習慣づける、また、不審者や不審物を見かけたら、決して近づいたり触ったりせず、速やかにその場を離れるようにしてください。
 エ. 爆発音や銃声が聞こえた場合、その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとり、頑丈なものの陰に隠れ、周囲を確認して可能であれば、低い姿勢を保ちつつ、速やかに安全な場所に退避してください。
 
(2)誘拐対策
 最近、日本人を含む外国人を標的とした誘拐事件は確認されていません。
 しかし、誘拐事件発生時、犯人は狙う相手に対して、一定期間をかけて十分な下見と準備を行うものと考えられますので、狙われないようにするにはどうしたら良いかを考え対策を練る必要があります。日頃から以下の項目に留意することをお勧めします。
 
 ア.居住地の地域にとけ込む。
 イ.高価な貴金属を多数身に付けていることが明らかに分かる服装は慎み、なるべく目立たないようにする。
 ウ.日常生活の行動をパターン化しない。
 エ.警戒している姿勢を示し相手を牽制する。

II.こんな時どうする

1.オランダに到着した時・帰国する時

(1)在留届
   海外に3か月以上滞在される日本人は、その住所地を管轄する日本の在外公館(大使館又は総領事館)に「在留届」を提出することになっております(旅券法第16条)。オランダに3か月以上滞在される場合には、必ず在オランダ日本国大使館に「在留届」を提出してください。
 また、オランダ国内での転居(電話番号等連絡先の変更を含みます)、日本への帰国、他の国へ転勤、同居家族の移動等、提出された「在留届」に変更が生じた場合にも、忘れずに在オランダ日本国大使館にご一報ください。
 「在留届」を提出していない場合、大使館では在留の事実を把握できませんので、特に緊急事態を含む大規模災害や事件・事故が発生した場合に安否確認を適切に行うことができません。また、変更(特に帰国)のご連絡がない場合には、連絡がとれないという事態になってしまいます。
 「在留届」用紙は、在オランダ日本国大使館領事窓口で入手できる他、外務省ホームページ内の在留届電子届出システム(オンライン在留届 https://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )での提出も可能となっております。
 
(2)たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者等)についても、現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして、外務省海外旅行登録「たびレジ」を運用しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html)。登録された方は、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざという時の緊急連絡等の受け取りが可能ですので、是非ご活用ください。

 
2.旅券の紛失・盗難


 以下(1)~(3)を準備して、ハーグ市にある大使館領事窓口開館時間(休館日を除く平日午前9時~午後12時30分、午後1時30分~午後4時)内に所定の手続きを行うようにしてください。なお,在オランダ日本国大使館日本語版ホームページ(https://www.nl.emb-japan.go.jp/itpr_ja/r_ryoken.html)でも具体的手続きにつきご案内しておりますので、参考にしてください。
 
(1)最寄りの警察に被害を届け、紛失・盗難届証明書(「ポリスレポート」)を入手
(2)写真(縦4.5cm×横3.5cm)2葉
(3)本人確認が出来る公文書(戸籍謄(抄)本)
*戸籍謄(抄)本につきましては、日本にいる親族等に入手を依頼し、入手次第、取り急ぎEメールで当館領事窓口にお送りいただき、その後、原本を当館宛郵送するよう手配ください。
 
<在オランダ日本国大使館領事窓口>
住 所:Tobias Asserlaan 5
 2517KC Den Haag, The Netherlands
電 話:070-3469544(代表)
Eメールアドレス:consul@hg.mofa.go.jp

 
3.クレジットカード・銀行カードの盗難・紛失


 警察に盗難・紛失届を行うとともに,直ちに使用停止の手続をとってください。お持ちのクレジットカードのカード番号,信販会社の緊急連絡先は控えておくようにしてください。

 
4.病気になったとき


 オランダはホームドクター制ですので、それぞれのご家庭で異なりますが、まずはアポイントをとってから訪問し相談することになります。ホームドクターのいない旅行者、出張者の方については、まず、宿泊先のホテルのフロントに相談してみてください。通常はホテルとして提携している病院や医師を紹介してくれます。また、診療時間外に具合が悪くなった場合には、休日・夜間診療所に連絡し、その指示に従うようにしてください。

 
5.何らかの事件・事故等被害に遭ったとき


 まずは自分を落ち着かせることが大切です。また、特に強盗に遭遇した場合などは危害を加えられるおそれがありますので、犯人に抵抗をしないでください。所持品が盗られても命にはかえられません。
 その上で、直ちに最寄りの警察に通報、被害を届け出、「被害届(ポリスレポート)」を入手するようにしてください(保険請求時に必要なことがあります)。なお、日本人の方が事件や事故に巻き込まれた場合には、警察から大使館へも通報がなされる場合があります。

III.緊急事態に備えて

 テロ、大規模事故・自然災害などの緊急事態は、いつ、どこで、どのような形で起こるか予測がつきませんが、平素から緊急事態に備えた心構えをご家族、職場で話し合い、必要な準備を進めておくことは、決して無駄なことではありません。


1.平素の準備と心構え
(1)連絡体制の整備
 ア.家族間、企業間での緊急時の連絡方法等を平素から決めておき、確認しておくようにしてください。また、平素から所在、行き先も家族や同僚に知らせておくと、いざと言った場合に安心です。
 イ.日常生活でも携帯電話を使用した連絡が一般的ですが、緊急時には携帯電話が長時間使用困難となり、固定電話すら不通になることも想定されることを念頭に置きながら、代替連絡手段につき予め考えておくようにしてください。
 ウ.緊急連絡先などは、携帯電話のメモリー機能を使用するほか、メモして常時携帯するよう心がけてください。携帯電話のメモリー機能はバッテリーが有効な間しか使用できないため、メモリー機能だけに頼ることは十分とはいえません。
 エ.大使館からの緊急連絡は、原則、「在留届」や「たびレジ」に登録されている情報に基づいて行いますが、オランダにお住まいの邦人の皆様が組織しているグループや団体等で独自の連絡網を持っていらっしゃる場合には、在オランダ日本国大使館領事窓口までご連絡願います。
 
(2)避難場所
 万が一、自宅、学校、職場、宿泊先から避難する事態となった場合の避難場所については、それぞれ所在する地域を管轄する地方自治体から事前に指定された避難場所があるか予め確認し、家族間、学校、職場で共有しておくようにしてください。
 
(3)携行品及び非常用物資の準備
 オランダでは、緊急事態が発生した場合でも物資が不足する事態は基本的に想定されません。しかし、買い物が一時的に困難になる、または、一定期間自宅待機を余儀なくされる可能性も考えられますので、そうした事態をも想定し、食糧、飲料水、乾電池等などは、日頃からある程度買いそろえ、保管しておくことをお勧めいたします。
 (具体的なリストは以下3.をご参照ください。)

 
2.緊急時の行動

(1)基本的心構え
 パニックにならずに平静を保ち、流言飛語に惑わされ、群集心理に巻き込まれることのないようにすることが大切です。
 
(2)情報の把握
 大使館ホームページ、領事メール等を通じ情報提供に努めますが、現地報道、BBC、CNN、JSTV、インターネットなどにより各自情報収集するよう心がけてください。また、緊急時、NHKラジオジャパン(短波放送)を通じて情報提供することもあります。
 
(3)大使館への通報等
 ア.ご自身や家族又は他のオランダに滞在中の邦人の生命・身体・財産に危害が及んだ場合、または及ぶ恐れがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を大使館にお知らせください。
 イ.緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることが大切になります。場合によっては、大使館からオランダに滞在中の邦人の皆様に種々お願いすることもあるかと思いますが、その際にはご協力を宜しくお願いいたします。


3.緊急事態に備えてのチェックリスト(参考)

□ パスポート、身分証明書(オランダ滞在許可証)
  必ず携行すべき重要書類です。パスポートの有効期間は6か月以上であることが望ましいとされています。パスポートは有効期限の1年前から更新可能ですので、有効期間を確認し、早めに更新しておくようにしてください。
□ 現金、クレジットカード、預金通帳、有価証券等
□ 自動車の整備等
*自動車は常時整備しておき、ガソリンはいつも十分に入れておく。
*車内には懐中電灯、地図、ティッシュペーパー等を備えておく。
*自動車を持たない人は、近くに住む自動車を持つ人と日頃から連絡をとり、必要な場合に同乗できるよう相談しておく。
□ 携行品の準備
上記に加えて、次の携行品を直ぐに持ち出せるよう準備しておくこと
*衣類・着替え(長袖,長ズボンが賢明。動きやすく、華美なものは控え、吸湿性、耐寒・耐暑性に富む素材が望ましい)
*履き物(行動に便利で、底の厚い頑丈な革靴等)
*洗面用具(タオル、歯磨き、石けん等)
□ 非常用食糧等
自宅待機に備え、米、ミネラルウォーター、長期間保存が可能な食料品などの食糧を備蓄し、自宅から他の場所へ移動(避難)する際は、その中からインスタント食品、缶詰類、飲料水(水筒)等を携行する。
□ 医薬品等(常時服用している薬剤の他、最低限の救急薬品)
□ ラジオ(NHK海外放送=ラジオジャパン、BBC、VOAなどの短波放送を受信できる電池使用のもの)
□ その他
懐中電灯、ライター、ろうそく、ナイフ・フォーク、缶切り、栓抜き、紙・プラスチックの食器、簡単な炊事用具、固形燃料、モバイルバッテリー等

IV.緊急時の連絡先

◎ 警 察: TEL 112(国内共通)
◎ 消 防: TEL 112(国内共通)
◎ 救急車: TEL 112(国内共通)
     緊急度が低い場合:0900-8844
◎ 在オランダ日本国大使館: TEL +31-(0)70-3469544
    (*夜間・週末等閉館時で緊急の場合には、音声ガイダンスにしたがい当番の者と話すことが出来ます。)
 
緊急時の言葉
「泥棒」 Dief(ディーフ)
「助けて」 Hulp(ヒュルプ) *ヘルプでも通じます
「警察」 Politie(ポリツィー)
「救急車」 Ambulance(アンビュランス)
「病院」 Ziekenhuis(ズィーケンハイス)
「消防」 Brandweer(ブランドヴィーア)
「日本国大使館」  Ambassade van Japan(アンバサーデ ファン ヤパン)
「日本国大使館の住所」  Tobias Asserlaan 5, Den Haag(又は The Hague)(トビアス アッセルラーン 5,デンハーグ (又は ザ ヘイグ))